間(ま)と間(あいだ)

明けましておめでとうございます。

教務の米山です。

相撲を観ていて不思議に思ったことがあります。それは取り組み(試合)の始め方です。何度も仕切りをして、両者の呼吸が合った瞬間に始まることがあります。つまり力士両者の「立合い」に任されているんですね。

「立合い」に関して、Wikipediaにはこう書かれています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%90%88%E3%81%84

力士同士が呼吸をあわせて「立ち合う」のが語源。審判など第三者によらず、競技者同士の合意によってはじめて競技が開始されるという意味で、対戦形式のスポーツの中ではきわめて稀有な形態である(詩人ジャン・コクトーは「バランスの奇跡」と讃えた)。

 

現在は制限時間一杯になってから始めることが多いですが、ラジオ放送が開始される前は制限時間はなかったそうです。

お互いの呼吸の「間(ま)」を合わせるために、仕切りをする時間「間(あいだ)」が必要なのかもしれませんね。

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ドラムのインストラクターの方の本を読んだことがあります。

ある三味線のお師匠さんに呼ばれて、邦楽の方々の中にまじってドラムを叩いたことがありました。そこでマイッタのが曲のスタートです。洋楽だったら、まずまちがいなく「1・2・3・4」とカウントがあって曲に入るのですが、邦楽にはこれがない。お師匠さんの「ハッ」で入っちゃうんです。これにはどうしてもついていけなかった。(『リズムに強くなるための全ノウハウ』市川宇一朗)

 

西洋のリズムは「時間の進行」に支配され、日本のリズムは「時」とか「刻」ではなくて、「間(ま)」によって支配されているのだそうです。

いずれにせよ、「間(ま)」というのは、「間合いを取る」という言葉にも表されるように相手との距離があってはじめて成立するわけです。そこにはお互いの暗黙の了解(信頼)が存在するのではないでしょうか。。

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私は夕食をすき家や日高屋でとることがよくあります。

食べ終わってレジに行くと、店員はこう言います。

  1. ラーメン390円と餃子210円で600円になります。
  2. 1000円お預かりします。
  3. 400円お返しです。ご確認ください。
  4. ありがとうございました。
  5. こちらレシートとサービス券です。次回お使いください。
  6. またお願いします。

別に問題ないですね。

ただ、私はファーストフード店でも、できるだけ「ごちそうさま」と言うようにしています。ところが、その「ごちそうさま」が入れられません。最後に言おうとしても、店員はすでにどこかへ行ってしまっています。

今はどこの店でもきちんと接客用語を使っています。でも店員も会社もその間(あいだ)に客の言葉が入ることなど想定していないのでしょう。普通は客も黙っています。だから最初から最後まで全く「間(ま)」がなく、店員が一方的に早口で言葉を並べているんだと思います。

まあ、ほとんどの人には必要ないのかもしれませんけど、私は一生懸命働いている店員さんには「ありがとう」「ごちそうさま」と一言声をかけたくなります。それがカワイイ女性だったらなおさらです。

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ただ、よく言われるマニュアルの接客用語には気持ちがこもってない、という話とはちょっと違います。

先日、久しぶりにヤフーオークションを利用しました。落札すると取引ナビで出品者と落札者の間に以下のようなやり取りが始まります。

<出品者>このたびは落札いただき、ありがとうございました。出品者の山田太郎と申します。お取引終了までどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、お支払い方法などにつきましてご連絡させていただきます。(中略)それでは、ご連絡をお待ちしております。

<落札者>ご連絡ありがとうございました。田中花子と申します。こちらこそ、よろしくお願いいたします。以下、ご連絡申し上げます。 

<出品者>出品者の山田です。ご返信ありがとうございました。商品代金○○円、送料○○円、合計○○になります。ご入金されましたらお知らせください。 

<落札者>田中です。本日、入金しました。ご確認ください。それでは、商品が届くのを楽しみにしております。よろしくお願いします。 

<出品者>出品者の山田です。ご入金を確認しました。ありがとうございました。本日、商品を発送しました。到着までいましばらくお待ちください。 

<落札者>田中です。本日、商品を受け取りました。このたびはありがとうございました。評価をさせていただきました。ご確認ください。またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。 

評価:非常に良い 商品無事に届きました。迅速で丁寧な対応をしていただきありがとうございました。機会がありましたらまた利用させていただきたいと思います。 

一般的な手紙やメールのやりとりと同様です。実際には受け答えの雛形を作って、特に感情を入れることなくコピペで送っている人も多いと思います。でも、そこには相手が返信してくることを前提として、やり取りに「間(ま)」があります。きちんと連絡が来ると安心するし、相手に対して信頼感も出てきます。そして品物が届く「間(あいだ)」も安心して到着を楽しみにすることができます。

ところが、今回落札後に取引ナビ(ベータ版)を開くと、新システムに変わっていました。あらかじめ用意されたフォームに必要事項を入力していくだけです。お互いに言葉をやり取りする必要はありません。最後の評価も用意されたテンプレートから選びます。

確かに手間もわずらわしさもなく、簡単で楽です。どちらがいいかは、意見の分かれるところでしょう。

最後に私も指示通りにテンプレートから選んで評価しました。

評価:非常に良い ありがとうございました。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。 

ほどなく出品者からも連絡が来ました。

評価:非常に良い ありがとうございました。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。

やはり、生きた言葉には相手との「間(あいだ)」に「間(ま)」が必要なんですね。

 

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落札した沢田研二のDVD6枚組ボックスセット。ほぼ新品同様の美品。包装も丁寧で迅速に対応してくれたので、一言お礼の気持ちを伝えたいと思いましたが。

 

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