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通信コース開講記念「継承日本語」終了しました

今年1月に「インターカルト日本語学校 日本語教師養成講座・通信コース」が開講し
現在、開講記念講座を行っている。

第1弾は「日本語教師のためのcan-do statements“3W1H”ブラッシュアップセミナー」と名づけて、3月4月に4回行った。

第2弾の講座は「継承日本語」をテーマに行ってきたが今日が4回目、最終回だった。
初めは「継承日本語」という言葉さえよく知らなかったが、毎回とても充実していて
この一連の講座が終わるのがなんとなく寂しく感じた。

この講座をすることになったきっかけは、インターカルト日本語学校のイタリアの
提携校の先生(国際結婚をし、イタリアで子育てをしている方)だった。
「海外に住んでいるからといって、子供がそんなに簡単にバイリンガルになれると
いうものではない」という話から「継承日本語」という言葉を知った。

私たち自身が学びたいという気持ちが高まり、色々なつてをたどり
今回の講座の先生方と繋がることになった。

1回目は、ギリシャ、イタリア、ベトナムで国際結婚をし
子育てをしている方が、食卓での家族の会話などを見せてくださり、
現在の悩みや将来について、ざっくばらんに話してくださった。
海外在住のセミナー受講者の方は共感なさることも多かったようだが
私たちは初めて具体的に「継承日本語」について考える機会になった。

2回目は、海外に住み続ける子供たちには、日本の国語の教科書も
外国語としての日本語の教科書も合わない、ということから
『おひさま』というテキストを作られた山本絵美先生のお話。
インターカルト日本語学校でも、この講座の後、多くの先生が
興味を持ち『おひさま』を手に取っていた。

3回目は、幼稚園の先生でもある深本明見先生が
シュタイナー教育をもとに行う「継承日本語」の活動を
たっぷり見せてくださった。
工夫された教育に、何度もうなずきながら聞いた。
海外で子育てをしている方が、温かい言葉に涙が出たと
感想を寄せてくださった。

4回目の今日は、集大成。
カルダー淑子先生が登壇してくださった。
海外で「継承語教育」に苦労されている方のために
日本語教育推進法の改定を求め、立ち上がった方だ。
専門家の立場から「未来に向けた継承日本語」と題して
継承語をどのように伝えるか、どうやって日本語を伸ばしていくか、
教室でのカリキュラム、小中高校生の継承語の授業の例などを
柔らかく、力強く語ってくださった。

大変興味深く、こういうのを海外と日本で分かれることなく、
一緒に何かできるとおもしろいのではないか、
私たち日本語学校がどう関わっていけるか、
次への一歩を踏み出したいと思う講座だった。

7月は第3弾「JLPT」を、8月は第4弾「音声」をテーマに講座を行う予定。
(日本語教員養成研究所 椿)