Archive for 谷口真理

地域の取組み~インターカルト日本語学校 発~

インターカルトの地域の取組みについて紹介したいと思います。

2008年にインターカルトは台東区に移転してきました。インターカルトが台東区で存在し続けるにも台東区の行政と協働で地域の外国人のために何かできなかと模索し続け・・そして10年が過ぎました。その間、文化庁委託事業「生活者としての外国人」のための日本語教育事業を受け、地域のお母さんのための日本語教室や、ボランティアさん向けの「日本語の教え方講座」など7年実施してきましたが、なかなか台東区とつながることができませんでした。

それが、台東区に「区民課 協働・多文化共生係」の部署ができ、当校の今までの地域の取組み、とくに「やさしい日本語研修」を高く評価してくれるようになり、10年経って、なんと台東区とのつながることができました。初めていっしょに作成したのがこの冊子です。

地域で暮らす外国人とのコミュニケーションブック~やさしい日本語を使って日本の生活について伝えてみよう」インターカルト監修です。

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また、今年度は「外国人とのコミュニケーションのための日本語講座」初歩編、入門編、実践編を開催します。他にも港区の職員向けの「やさしい日本語研修」、東京都生活局主催語学ボランティアのための「やさしい日本語研修」が続きます。ボランティア講座はさいたま市、我孫子市で開催が決まっています。

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あと、もう一つ。当校にとって大切にしている取組みがあります。

「ミャンマーの難民の人たちのための日本語教室」です。5年前に委託を受け、当養成講座の修了生が講師としてこの教室を支えています。初めての顔合わせのときにとってもショックを受けところがありました。ミャンマーの人たちは長く日本に住んでいる人も多くいます。会話はどうにかできますが、読み書きができない人たちがほとんどでした。皆さんの希望の中に「子供の学校のお便りが読めるようになりたい」「町の看板が読めるようになりたい」「仕事で上を目指すには文字を書けるようになりたい、読めるようになりたい」多々。その要望を受けて、講師たちがひらがな、カタカナ、そして漢字検定10級の合格を目指し、皆さん、頑張りました。今では毎年暑中お見舞いが届くようになりました。漢検10級、9級、8級に挑戦したり、JLPT5級、4級・・そして2級に合格した人もいます。

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また、勉強の他に年に一度のお楽しみがあります。インターカルトでの夏祭りです。スイカ割りをしておいしいスイカを食べ、そして一番大人気なので浴衣に着替えての大撮影会です。浴衣を着て、各々ポーズをとって写真を取り合います。本当に楽しそうな姿にこの教室に微力でも携わっていて良かったと思います。今年撮ったお気に入りの写真がこちらです。

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そして、インターカルトは今年、あらたな事業を文化庁より委託されました。

事業内容はこちら。

「日本語教育人材養成・研修カリキュラム等開発事業」

・日本語教師【初任】(活動分野:生活者としての外国人)に対する研修

・民間等における日本語教師養成研修(420単位時間以上)

あらたな取組みを、今後どう展開していくか是非注目していてください!!

 

 

 

インターカルト日本語学校の 2016年 「今年の漢字」

毎年恒例の漢検主催の「今年の漢字」は「金」でした。リオオリンピックで日本の選手が12個の「金」メダルを含む、史上最多のメダルを獲得し、たくさんの感動を与えてくれましたね。インターカルト日本語学校では外国人学生はもちろん教職員一同、「今年の漢字」の応募に協力しています。

さて、当校では漢検に応募した漢字の中からインターカルト日本語学校の「今年の漢字」を発表しようということになりました。12/13にライブ中継で発表を行いましたがご覧になりましたか。

インターカルト日本語学校の「今年の漢字」は「変」

理由として、世界の変化から、留学生活で自分の生活に変化があったことなどいろいろとありました。

他にもいろいろな「今年の漢字」をちょっと見てみましょう!!

まずは、外国人学生が応募した「今年の漢字」ラインナップ・・・

乱、進、驚、丼、雪、金、楽、変、女、新、犬、恐、夢、頑、疲、生、友、哀、恋、年、

青、欅、自信、響、美、祈、冬、復、慣、興、花、凹、光、毎日、機、学、安、茜、選

森、深、震、寂、謙、茨、死、日、面、逆、成、凪、雨、解、怒、越、鬱、曜、婚、二

化、瞬、一、難、扉、好、晴、運、突、科、高、和、静、卒、始、国、悪、字、時、能

揺、縁、鞄、理、勇、陽、泰、狂、神、波、友

 

同じ漢字でも理由は様々で、おもしろいです。

少し紹介しましょう。どの漢字かわかりますか。

《コメント》

・毎日、お金を使いますから。一番大切と思います。

・勉強がたのしい。

・日本で新しい生活を始めた。

・日本に来てから生活は楽しいですけど、大変です。

・簡単でカタカナも同じです。

・今年はN3合格を目指し、日本語の勉強を頑張った。

・すき家の牛丼はとてもおいしい。毎日食べに行く。

・日本に来たときは友達がいなかったが、今は違う。辛いときにそばにいてくれる友達がいる。など

学生にとって、留学生活がまさしく今を表す「今年の漢字」になのでしょう。

 

さて、教職員の「今年の漢字」を見てみましょう。

動、選、辛、赤、問、非、鯉、倫、変、驚、金、虚、飛、守、揺、転、離、解、逆、整、怒、移、迷

《コメント》

・天災、大事件、大事故「転がる」ようにいろいろと起きた年だった。

・高齢ドライバーの逆走事故多発。

・SMAP解散

・今年は25年ぶりに広島東洋カープが優勝。感動した。など

 

一人ひとりの思いが漢字一文字に表われる、「今年の漢字」

来年はどんな漢字が選ばれるでしょうか・・・。

春はそこまで

今 日から3月。もう春はそこまで来ていますね。私の住んでいる八王子は、天気予報で都心とよく比較されます。特に雪が降った時がそうですね。都心で5センチであれば、八王子は20センチは積もります。雪かき用シャベル、長靴は必需品です。

さて、2月の下旬に暖かい日が続いたとおもいきや、次の日は雪がぱらつきこんな感じに。しかし、次の日は快晴。春が待ち遠しいと梅の花が咲き始めていました。

どんなに寒くても自然の草木は春を感じて、咲く準備する。自然の生命力を感じる春、私たち人間も何か動き出したくなる季節ですね。

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私の所属する日本語教師養成コースの10月期の学生たちは、実践コース受講中です。1月から始まった初級実習ですが、先月、インターカルト日本語学校の学生を相手に本番の実習がありました。約2か月近く、毎日の実習授業の成果が表れる日です。学生たちの国籍は多国籍です。始まる前は声がかけられないくらい緊張している様子でしたが、始まってしまえば堂々と自分の教案通りに授業を進めていました。反省はあるにせよ、よくここまで頑張ってきたなと養成担当の私としては涙がでるくらいうれしいものです。しかし、本番実習が終わって、ホッとする間のなく中上級実習がスタート。1か月みっちりと実習が続きます。春の訪れとともに、10月期の学生は修了式を迎えます。4月には全員が教壇デビューを目指します。春本番が待ち遠しいですね。

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養成研究所はイベントがいろいろ

5月から養成研究所主催のイベントがいろいろスタートしました。

年間通じて、たくさんの方々に参加してもらえるようにイベントを企画していきます。

さて、5月には“外国人学生といっしょに浅草を歩こう 「浅草探索ツアー交流会」”の行いました。

地図を見てゲームをしながら、年齢の差など関係なく、グループで楽しく浅草を歩きました。

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6月は3つイベントを組みました。1つ目は、多国籍の学校だからできる「World Cafe」を企画。

いろんな国から来ている学生の国の言葉を学んだり、ゲームをしたり、おおいに盛り上がり

ました。日本人30名、外国人学生30名の参加がありました。実は、私の長男も大学の友達

と参加しました。

すご~~く楽しかったみたいです。

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2つ目は『落語で学ぼう!春風亭小柳師匠による「パフォーマンス基礎講座」』扇子を見る

目の動きや持ち方などでお箸になったり、刀になったりします。すごい!!

落語も聞くことができて、とても楽しい時間でした。

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6月最後のイベントは「ムスリムおもてなしセミナー in  浅草」です。浅草にあるSEKAI CAFE

でお店の料理を楽しみながらのセミナーでした。このお店は、ムスリム、ベジタリアン、

アレルギーなどに優しい、今浅草で話題の世界中の人が集うお店です。

日本はイスラム教徒(ムスリム)に関して、特に食習慣についての対応がまだまだで、

ムスリムの観光客が、実際困っているそうです。まずは、日本人である私たちが、

イスラムの信仰に基づく生活習慣、とりわけ食習慣について知ることが必要ですね。

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7月です。ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学Aldo Tollini 教授による「学習プロセスと漢字教育」

の特別公開講座がありました。広報開始から、申し込み、問い合わせがぞくぞくで、当日は

100名以上の参加がありました。非漢字圏の視点が分かった、目を育てるストラテジーの

具体的な練習方法はすぐに実践できるなど、たくさんの感想を頂きました。

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来月以降もまだまだ続きます~!!!乞うご期待!!!

養成コースの実践講座スタート!!

1月6日から養成コースの実践講座がスタートしました。

教え方を3か月間集中で勉強します。

練習の時には、養成講座の学生が外国人役になるので、まずは国籍と名前決め。今期は、こんな感じです。国籍と名前にどんな思い出があるのかな・・・っていつも思います。

インターカルトの実践講座は、何度も教壇にたって練習を繰り返し行います。スタートして、3週間が過ぎ、いろんな工夫も見られます。何と言っても楽しそう。笑い声がよく聞こえてきます。

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最近は、紙の教材だけではなくて、タブレットで作成した教材を使用して実習の練習する学生も多くなりました。実践講座の中で、電子機器を使っての教材作成の授業もあります。IMG_0149

今日は、インターカルト日本語学校の学生を対手に実習を行います。学生の国籍は、いろいろです。本番で、緊張しているかと思いきや、楽しそうに授業をしています。日頃の練習の成果でしょうかね。

10月期生は、3月末に修了して、4月からは先生としてデビューですね。今から楽しみですね!!!

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さて余談ですが、最近の子どもたちの会話を聞いていると何だかボキャブラリーが少なくなっているように感じます。短い言葉で、会話ができてしまうのもびっくりです。

「まじ」「まじか」「まじ」のイントネーションの違いで、会話していたり、本当に不思議です。日本語学校の学生の日本語は素晴らしと思います。このまま成人して、ちゃんとした会話ができるようになるのか・・・日本語学校で、日本語の勉強をさせたいと思う今日この頃です。

 

 

 

 

輪の インターカルト

インターカルトは輪で支えられていると最近つくづく思います。

 まずは、日本語教師養成講座の受講生の輪。いつも教室から笑い声が聞こえてきます。
半年間いっしょに学んできた仲間の輪。修了まであと少し。
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 文化庁委託事業で地域のお母さんの教室を支えてくれているメンバーの輪。
今年も文化庁の教育大会で、ポスターセッションに参加しました。
この事業も6年目です。輪も大きくなりました。
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委託を受けているミャンマー難民の日本語教室を支えている輪。
毎回欠席者がほとんどいない、高いモチベーションを支えている養成講座修了生
3人の輪。
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インターカルトと泉先生の輪。養成研究所初の大阪での検定対策講座。
今年は通信コースも始まり、新しい形の検定対策が生まれました。
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今後どんな輪が増えるか楽しみです。
養成研究所
谷口真理

地域のお母さんの教室

 

文化庁の委託事業「生活者としての外国人」のための日本語教育事業として開始した地域のお母さんの日本語教室もですが今年度で5年が経ちました。

初年度は、子どもの教室からスタート。この時に来ていた子供たちは小学生でしたが、今は高校生、中学生になっています。

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次年度は、子供のお母さんたちのため教室をスタートしました。韓国のお母さんたちが多かったですね。とても勉強熱心でした。お母さんたちから学ぶことも多かったです。

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日本語の勉強もあり、日本の文化についての勉強もありで、浴衣の着付けもやりました。すごく楽しかったです。

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次の年は、幅広く募集をかけて、インドのお母さんたちが多く参加してくれるようになりました。この日のテーマは「防災」。防災グッズについて学びました。初めて、防災グッズを手にするお母さんもいました。

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新年の教室は書初めでスタートしました。いろんな思いが文字になり・・。

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今年度のお母さんの教室は、先週で終了しました。この教室を支えてくれているのは、全て当校の養成講座の修了生です。戸惑いながらの地域の教室でしたが、今では日本語学校として、地域の皆さんといっしょにいい形の教室作りができてきていると思います。もちろん、もっと。もっとなんでしょうね・・。修了生の皆さん、本当にありがとうございます!!!!!

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