タクシーの運転手さんに、ほんと、よく話しかけられます。
一番多いのが、愚痴。
バブルの頃は良かったという思い出浸り系。体のあちこち痛い系。
いい年のおじさんドライバーに、いきなり彼の初恋話を聞かされたこともありました。
中学だか高校だかの時に好きだった娘が住んでいたあたりを通ると、
胸がキューンとしちゃうんだそうですよ、今でも。
今日乗ったタクシーの運転手さんの話は、新種でした。
人間なしで、部品だけ乗せたことがある。山梨の工場まで。
精密部品で、バイク便だと振動が問題だから。助手席に部品の小箱を乗せて運転した。
ヒラメを乗せたこともある。人間なしのヒラメだけ。
活きがよくて袋の中でぴちゃぴちゃ跳ねてる。跳ねてる間に料亭まで届けてという依頼。
ネコも乗せた。飼い主がなんか問題があって、動物病院まで送り届けたんだけど、
元気のいい大きいネコで、車ん中あっちこっち飛び回って大変だった。
お年寄りも乗せた。夜中に病院を抜け出すお年寄り。
あんな病院に入院させておいたら殺されちゃうから、夜中に連れ出してと家族に頼まれ。
看護婦一人抱きこんで、非常階段のドア開けさせてそこから抱いて降ろした。
これから自殺しようって人も乗せたことがある。
どこか静かな所に連れてってって言われたけど、見ればわかる。
話聞いて、説き伏せて、一緒にウーロン茶飲みながら夜を明かして、
やっぱり生きてみますと言わせた話。
四半世紀、タクシードライバーとして生きてきたおじさんのお話でした。
私はたいてい聞き役ですが、喋りまくったことも何度か。
一度は、シドニーで。まだ20代の時、初めて一人でした海外旅行。
早朝に空港に着き、バスターミナルで待つ友達にタクシーで来いと言われ、
乗ったはいいが、乗ったらすごく体の大きいそれはそれは恐そうなドライバー。
上手も下手もない、恐いから英語で喋りまくりました。
そしてジャカルタ時代。タクシーに乗ったらまず、
オジサン出身どこ?、子供いるの?、孫は?、かわいいでしょ、などなどなど。
そうすると必ず、インドネシア語うまいね、どれくらい住んでんの、などなどなど。
とにかく喋りまくりました。遠回りされないため、ボラれないために。
でも、基本的には聞いてるほうがいいです。
でも、それより何より本心は、話、しないで静かにしていたいです。