秋の夜の落ち歯
電車の中で居眠りをしていたおじいさんが、
開いた口からボロッと入れ歯を落とした。
おじいさんは、気づかずに寝ている。
乗客はくすくすにやにや、笑いをこらえて床の上の入れ歯を眺めていた。
とある駅で、おじいさんはすっくと立ち上がり、電車を降りようとした。
「入れ歯、入れ歯」と、乗客の一人が拾って手渡す。
おじいさん、「おっ」と言ってそれを受け取り、ひょいと口の中に戻した。
そのまま電車の中に残して下車してしまったら、
その入れ歯は、忘れ物になるのか、落とし物になるのか。
すみません、書くこと思いつかず、
先週、総務のKさんから聞いた話(その場に居合わせたという実話)を、
思い出して書きました。