• 271月
    Categories: tanka, 雑感 Comments: 0

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    威張れる話ではないですが、見切り発車が得意で、
    かなしいかな、さっさと見切るのも得意です。
    短歌もその一つで、2012年ごろ勢いよく始めたものの、
    数年前に断念し、さっと身を引きました。

    365日毎日一首詠むぞと決めて成し遂げたのは、
    今、毎日書くぞと決めてこれを書いているのと同じですが、
    生き方が短期決戦だから、燃え尽きるのも早いのでしょうね。

    しかし、華々しいことがなかったわけではなく、
    2015年に、近藤芳美賞という短歌の賞に入選しました。
    一つのタイトルで十五首詠むというものです。よかったら以下。

    「余瀝飲み干し…」
    ・図に乗って昨日は少し飲み過ぎた朝のトイレにニッカが香る
    ・呑み食いで仕事はせぬと電話切る打ちっぱなしも三度でやめる
    ・大事なる和なれど和のみで成り立たぬ組織もビールもまとめて苦し
    ・神谷バー寄りて求めし電気ブランノスタルジアが味覚鈍らす
    ・「おお!さすが獺祭」などと言うてみて名に呑まれたと顔赤くする
    ・賀茂鶴は戦艦大和とうんちくを言いて止まらぬ蕎麦屋の酔漢
    ・奈良漬けで酔いし父より生まれたる我は好んで酒の歌詠む
    ・遺言にあらねど父の通夜振る舞い酒なきことをいかに思いし
    ・爪先に心臓ありと思ゆほど我を酔わせし初コークハイ
    ・ビール壜片手に勝手にシンドバッド居酒屋清瀧今もあるらし
    ・巫女にまだ注がれぬうちに盃の余瀝飲み干し妻となりにし
    ・味噌汁を小鍋に分けて酒粕を落として溶かすわたくし用に
    ・雨の日はマッコリですと教え子が言っていたなと棚に手延ばす
    ・上海で好かぬ人よりもらいたる紹興酒の瓶捨てずに飾る
    ・イスラムの教えによりて飲めぬ国だからなおさらビンタン旨し

    写真は、私が好きなお酒、東の横綱の紹興酒です。

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